土地開発公社経理基準要綱Q&A解説

Q&Aについて主な質問を以下のように並べました。条文はすべて経理基準要綱上の条文番号です。

  1. 適用の一般原則

  2. 特定土地(再取得される見込みがなくなったの意味)

  3. 特定土地の固定資産税

  4. 完成土地等(販売可能な状態の意味)

  5. 完成土地等の等の意味

  6. 完成土地等から開発中土地への振替え

  7. 重要な会計方針を書く理由

  8. 重要な会計方針の事例

  9. 重要な会計方針の毎年の記載

  10. キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法

  11. ペイオフ対策で保有する有価証券

  12. 流動資産の有価証券

  13. 強制評価減をした土地の表示場所

  14. 賃貸事業目的あるいは自社用不動産の表示

  15. ソフトウエアの処理

  16. 暫定貸付の土地は賃貸事業用の土地に含まれるか

  17. 減損会計の適用

  18. 代替地における再取得等の等とは

  19. 利息の算入

  20. 原価計算の適用

  21. 土地勘定不算入の支払利息の処理

  22. 利息不算入となった土地の過去の支払利息の処理

  23. 不動産鑑定料の土地原価への算入

  24. 時価の評価検討の頻度

  25. 土地の区分毎の評価方法

  26. 賃貸事業の用に供する土地の減損会計

  27. 正味実現可能価額とは

  28. 販売経費等見込み額とは

  29. 正味実現可能価額の算定の具体例

  30. 時価の算定方法の変更

  31. 時価の算定方法の土地毎の採用

  32. 50%以上下落の例外はあるか

  33. 下落率基準を個々の土地毎に分けてよいか

  34. 土地評価損の処理

  35. 共同事業と土地の評価

  36. 近い将来明らかに回復する見込みがあると認められる場合とは

  37. 時価が回復した場合の簿価の切り上げ

  38. 再取得等が見込まれない代替地の出資団体への売却

  39. 低価法の採用

  40. 時価算定の時点

  41. 土地評価損の処理実例

  42. 事業用借地権設定時の預り金の処理

  43. 特定引当金の廃止理由

  44. 地価変動等調整引当金の計上の有無

  45. 旧要綱上の特定引当金の取崩処理

  46. 退職給付引当金

  47. 運用財産の処理

  48. 繰延資産の廃止理由

  49. 旧要綱の繰延資産の取崩処理

  50. 適正な原価計算とは

  51. 事業用借地権設定に伴う収益費用の処理

  52. 暫定的な土地の賃貸しに伴う収益費用の処理

  53. 土地評価損の内容

  54. キャッシュ・フロー計算書導入理由

  55. 現金同等物の定義

  56. その他キャッシュ・フロー計算書に重要な影響を与える事項

  57. キャッシュ・フロー計算書での駐車場の賃貸収入

  58. キャッシュ・フロー計算書での土地勘定に算入した支払利息

  59. キャッシュ・フロー計算書での人件費支出等

  60. 取得に係る支出と管理に係る支出

  61. 預り金収入支出

  62. 強制評価減を行った場合の附属明細表の記載

  63. 附属明細表明細表における当期減少高と期末残高の内訳表示

  64. 様式第14号での取引条件等の記載方法

 

1. 適用の一般原則

公有地の拡大の推進に関する法律(昭和47年法律第66号。以下「法」という。)及び公有地の拡大の推進に関する法律施行規則(昭和47年建設省令自治省令第1号。以下「令」という。)に定めのあるもののほか、この要綱の定めるところによるものとし、この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとされるが、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とは何を意味するか。


ここでいう「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とは、企業会計に対する権威を有すると一般に認められている組織により設定された様々な会計基準を含む広い概念である。企業会計に対する権威を有すると一般に認められている組織としては、財務省企業会計審議会、日本公認会計士協会、企業会計基準委員会等がある。具体的な意見書・報告の例をあげれば、昭和24年7月9日に経済安定本部企業会計制度対策調査会が設定した「企業会計原則」のほか、昭和37年11月8日に大蔵省企業会計審議会が設定した「原価計算基準」さらに「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い」等の日本公認会計士協会会計制度委員会報告等がある。

2. 特定土地(再取得される見込みがなくなったの意味

第3条第1項第11号の特定土地の定義において、地方公共団体等により再取得される見込みがなくなったとは具体的にどのような場合をいうのか。

A 

特定土地について地方公共団体等により再取得される見込みがなくなった場合を一義的に定義付けることは困難であるが、書面上、地方公共団体等により再取得されないことが明確になった場合のみならず、客観的見地から諸般の事情を考慮した結果、実質的に再取得されない蓋然性が高いと認められる場合をも含むこととなる。

実質的に再取得されない蓋然性が高いと認められる場合の例としては、地方公共団体等が作成した中長期計画等において将来の公共事業を中止した場合や、地方公共団体等による再取得の見込みがなく公社が民間売却を実施する場合等が挙げられる。公社の保有する土地を特定土地と位置付けるか否かは、地方公共団体等と公社との十分な協議の上での対応が望まれる。また、公社においては、特定土地と位置付けることの重要性に鑑み、理事会等の意思決定機関における承認が必要と思われる。

3. 特定土地の固定資産税

第3条第1項第11号の特定土地は、地方公共団体等により再取得される見込みがないことから、本来の事業の用に供する土地では無いことになるが、固定資産税の課税は今までどおり、非課税となるのか。

特定土地は、「直接その本来の事業の用に供する固定資産」とはいえない為、非課税の対象となる土地とは言えない。

4. 完成土地等(販売可能な状態の意味)

「完成土地等」の分類において、第3条第1項第12号 イ 「販売可能な状態にある土地」の解釈として、事業計画における全ての構築物の整備等の造成工事が完了した土地とするのか。それとも、一部の構築物の整備が未完成であっても、販売可能な状況であれば「販売可能な状態にある土地」とするのか。

 A

「販売可能な状態にある土地」の判断については、個別的に判断せざるを得ないが、事業計画における売り出し計画がある場合には、この売り出し計画を基準に判断すべきである。たとえば、宅地造成事業において、部分的に区画道路が整備され、上下水道、ガス、電気等の配管配線工事が完了し、住宅の建設可能な状態になったときに売り出す計画になっている場合には、当該区画については、計画どおりの状態になったときに「販売可能な状態にある土地」と言うことができる。

5. 完成土地等の等の意味

第3条第1項第12号 ロ の状況にある土地を「完成土地等」に含めている理由は何か。

土地造成事業において、開発が長期にわたり、不動産開発計画の実現可能性が認められないと判断されるものについては、他の「開発中土地」とは区別し、開発を行わない不動産として、「完成土地等」の「等」のなかに含めて整理することとした。この判断基準は、「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い(日本公認会計士協会 監査委員会報告第69号)」の「7.不動産開発計画の実現可能性に関する判断指針」を準用したものである。

このように、不動産開発計画の実現可能性が認められないと判断されるものについては、開発利益が見込めないため、土地等の評価に用いる正味実現可能価額の算定は、原則として完成土地と同様、第25条第3項第1号によることとなる。また、第24条第3項にあるとおり、完成土地と同様、当該資産の取得又は造成に要した借入金等に対する利息を取得原価に含めないものとしている。

6. 完成土地等から開発中土地への振替え

開発用の土地等の買収が完了した後おおむね5年を経過しても開発工事に着手せず「開発中土地」から「完成土地等」に振り替え、その後開発工事に着手した場合、「完成土地等」から再び「開発中土地」に振り替える(振り戻す)ことになるのか。

 A

開発計画の見直しが行なわれ、見直された開発計画のもと開発工事に着手した場合には、「完成土地等」から再び「開発中土地」に振り替えることとなる。ただし、見直された開発計画は、その客観性、具体性及び採算性について合理的であることが必要である。また、見直された開発計画については、理事会等の意思決定機関における承認が必要と思われる。

7. 重要な会計方針を書く理由

重要な会計方針を注記しなければならない理由は何か。

 A

会計方針とは、公社が貸借対照表及び損益計算書の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。

一つの会計事実について二つ以上の会計処理の原則又は手続の選択適用が認められている場合、その選択した会計処理の原則又は手続を注記しなければ算定された利益額その他の会計数値の算出根拠を利害関係者が知ることは困難となる。このため、重要な会計方針の注記が必要となる。

8. 重要な会計方針の事例

注記しなければならない重要な会計方針として、たな卸資産、固定資産及び引当金が規定されているが、これ以外に何を注記する必要があるのか。

A 

第1条において、「この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。」旨、規定されていることから、企業会計で要求されている注記事項のうち公社に該当する項目があればそれを注記しなければならない。

一般に、各公社が注記事項として検討すべきものを例示するならば、投資有価証券、費用収益の計上基準等が考えられる。また、たな卸資産、固定資産及び引当金の重要な会計方針の記載事例としては以下のようになる。

・たな卸資産の評価基準及び評価方法

   ○○土地・・・個別法による原価法によっております。

   ××土地・・・個別法による原価法によっております。

・固定資産の減価償却の方法

   有形固定資産・・・定額法によっております。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に

                             規定する方法と同一の基準によっております。

   無形固定資産・・・定額法によっております。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に

                             規定する方法と同一の基準によっております。ただし、ソフトウェア(自社使

                             用)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によってお

                             ります。

・引当金の計上基準

・貸倒引当金

   事業未収金、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権について貸倒実績率により計上しているほ

   か、貸倒懸念債権等特定の債権については、債権の回収可能性を個別に検討して計上しております。

・賞与引当金

   職員賞与の支給に充てるため、支給見込額基準により計上しております。

・退職給付引当金

   従業員の退職による給付に備えるため、当期末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき

   計上しております。なお、数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数

  (○○年)による定額法により翌年度より費用処理しております。 

・役員退職慰労引当金

   役員の退職により支給する退職慰労金に充てるため内規に基づく期末要支給額を計上しております。


上記はあくまでも例示であり、全ての公社が上記の事例に当てはまるわけでは無い。公社ごとに十分検討し、重要な会計方針を記載することが必要である。

9. 重要な会計方針の毎年の記載

重要な会計方針の注記は毎決算期行う必要があるか、あるいは変更が生じた年度の決算のみ注記すればよいのか。

 A

当該公社に必要とされる注記事項は毎決算の財務諸表に記載しなければならない。また、当該公社が採用する会計処理の原則若しくは手続又は表示方法について変更が行われた場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容を、当該財務諸表に注記しなければならない。

10. キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法

キャッシュ・フロー計算書の様式は別表において直接法が明示されているが、間接法により作成してもよいか。

直接法とは、「事業活動によるキャッシュ・フロー」について主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法をいう。間接法とは、当期純利益に、非資金損益項目、事業活動に係る資産及び負債の増減並びに「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連して発生した損益項目を加減算して「事業活動によるキャッシュ・フロー」を表示する方法をいう。

直接法による表示を行うには主要な取引ごとにキャッシュ・フローの基礎データを用意する必要があり一定の事務手数を要するが、間接法の場合と異なり、損益計算書には表示されない期中における公社の活動を表示することができる。例えば、損益計算書上の収益・費用(原価)は販売が行われてはじめて表示されるが、直接法によるキャッシュ・フロー計算書には、販売以前の開発段階での公社の活動がキャッシュ・フローにより活動内容ごとに表示される。このような直接法の趣旨を生かすため、公社のキャッシュ・フロー計算書は原則として直接法によるものとする。

 

11. ペイオフ対策で保有する有価証券

第11条第2項には、「満期保有目的以外で保有する有価証券」が同条第1項第1号の「現金及び預金」の範囲に含まれるとしているが、「満期保有目的以外で保有する有価証券」とは具体的に何を意味するか。

ペイオフ対策で保有する場合等、実質的に預金として保有する法第18条第7項第1号に規定する有価証券を意味する。形式上は有価証券であっても、ペイオフ対策で保有する場合等は実質的に預金として保有すると考えられるため、固定資産の投資有価証券ではなく、流動資産の「現金及び預金」として表示し、その旨及び内容について注記しなければならない。

12. 流動資産の有価証券

旧要綱では有価証券が流動資産に列記されていたが、新要綱では削除されている。旧要綱での流動資産の有価証券に計上していたものは、新要綱適用後はどのように表示すればよいのか。


旧要綱での流動資産に記載されていた有価証券は、新要綱では「投資有価証券」の科目をもって固定資産の区分に表示する。近年、企業会計においてもその保有する有価証券については「金融商品に係る会計基準」の適用に伴い、財務諸表上の表示も従前の流動資産から固定資産の区分に表示されるに至っている。

新要綱の第1条において、「この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。」と規定されている趣旨を踏まえ、公社の会計においても企業会計の基準との均衡を図る必要があることから、固定資産の区分に表示することとした。

13. 強制評価減をした土地の表示場所

第11条第1項第3号における「公有用地、代行用地、市街地開発用地、観光施設用地、特定土地、完成土地等、開発中土地及び代替地」は流動資産として表示する旨、規定されているが、第25条の規定に基づく評価を実施した長期保有資産は固定資産に表示すべきか。


第25条の規定に基づく評価を実施した長期保有資産であっても流動資産として表示することとになる。なぜなら、その場合でも従来の販売目的のまま保有を継続する場合には、営業循環過程に属する資産といえるからである。

14. 賃貸事業目的あるいは自社用不動産の表示

公社が販売目的で保有していた土地を、賃貸事業目的あるいは自社用の不動産とする場合、流動資産ではなく他の表示区分への変更を検討する必要があるか。


そのような場合には保有目的の変更に該当するため、当該土地の帳簿価額を流動資産から固定資産へ表示区分を変更する必要がある。造成地に事業用借地権を設定し、賃貸する場合には、投資その他の資産の区分における「賃貸事業の用に供する土地」に表示区分を変更し、自社用の不動産とする場合には有形固定資産の区分における「土地」に表示区分を変更することになる。ただし、先行取得事業用地を暫定的に賃貸する場合には、表示区分の変更は要しないこととする。

15. ソフトウエアの処理

無形固定資産の範囲にソフトウェアが明確に規定されていないが、公社が利用するソフトウェアはどのように会計処理すべきか。また、表示についてはどうか。

無形固定資産として計上した自社利用のソフトウェアについては、公社がその利用の実態に応じて最も合理的と考えられる減価償却の方法を採用すべきものであるが、収益との直接的な対応関係が希薄な場合が多く、物理的な劣化を伴わない無形固定資産の償却であることから、一般的には定額法による償却が合理的であると考えられる。利用可能期間を基礎として償却を行う場合の耐用年数については、近年の技術革新の状況等に配慮し、原則5年以内の年数とする。なお、ソフトウェアの減価償却の方法に関し、重要な会計方針として開示すべき項目及び記載上の留意点は以下のとおりである。


〔自社利用のソフトウェアの減価償却方法に関する開示〕

    ・自社利用のソフトウェアに関して採用した減価償却の方法

    ・見込利用可能期間(年数)

16. 暫定貸付の土地は賃貸事業用の土地に含まれるか

第22条第1項第7号の「賃貸事業の用に供する土地」には、現在一部を暫定的に賃貸している土地も含まれるのか。

「賃貸事業の用に供する土地」は、造成地に事業用借地権を設定し、賃貸した場合の土地を指すものとし、一部を暫定的に賃貸している土地は該当しない。

17. 減損会計の適用

公社の有形固定資産に対して、「固定資産の減損に係る会計基準」は適用されるのか。

第1条において、「この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。」旨、規定されていることから、公社の保有する固定資産に対しても原則として「固定資産の減損に係る会計基準」が適用されることになる。

固定資産の減損とは、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態であり、減損処理とは、そのような場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理である。これは、有価証券等の金融商品に適用される時価評価とは異なり、資産価値の変動によって利益を測定することや、決算日における資産価値を貸借対照表に表示することを目的とするものではなく、取得原価基準の下で行われる帳簿価額の臨時的な減額である。

このように、固定資産の減損処理はその対象はあくまで固定資産であって、貸借対照表の流動資産に計上される土地ではないことに十分留意する必要がある。流動資産に表示された事業目的の土地については、第25条の規定に基づく評価の実施により対処する必要がある。

なお、企業会計においては、「固定資産の減損に係る会計基準」は平成17年4月1日以後開始する事業年度から適用される。

18. 代替地における再取得等の等とは

法第17条第1項第1号に係る代替地のうち、取得原価相当による再取得等が見込まれる代替地は、第25条の規定に基づく評価の対象から除かれている。この対象外となる「再取得等」の「等」は具体的にどのような場合を意味するのか。

A 

「再取得等」の「等」とは、公社保有土地の売却にあたり、当該土地の取得経緯等を考慮して地方公共団体等による損失の補てんがある等、取得原価相当額による実質的な買い取りの保証があると認められる場合を意味している。そのような場合は、地方公共団体等による取得原価相当額での買い取りが予定されている場合と同様、資金的裏付けが保証されていることから、評価替の対象にする必要がないと解するものである。

このような地方公共団体等による取得原価相当額の実質的な保証は、本来は書面上明確にすべきであるが、当該書面がなくとも地方公共団体等から取得原価相当額による実質的な買い取りの保証があると客観的に認められる場合には「再取得等」に含まれると考える。

なお、地方公共団体等が、当該代替地を購入する為に公社が行なった資金借入について債務保証を行なっているのみでは、地方公共団体等による取得原価相当額での買い取りが予定されている場合とはいえないため、「再取得等」には該当しない。

19. 利息の算入

利息の算入については、土地ごとにどのような処理になるのか。

A 

土地ごとの利息算入の処理は以下のとおりである。



利息算入

旧要綱

新要綱

公有地先行取得事業

公有用地等

(下記を除く)

簿価算入

簿価算入

代替地

(1)

取得原価相当による再取得等が見込まれるもの(2)

簿価算入

簿価算入

上記以外

簿価算入

期間費用

特定土地(3)

簿価算入

期間費用

注(1)法第17条第1項に掲げる事業により取得される土地の所有者等に対して、その土地に代わる土地として譲渡するために公社が取得した土地をいう。

注(2)「再取得等」とは、損失の補てんがある場合等を含む。

注(3)法第17条第1項第1号の規定により公社が取得した土地のうち、地方公共団体等により再取得される見込みがなくなった土地をいう。


 

枠組み

利息算入

旧要綱

新要綱

旧要綱

新要綱

土地造成事業

完成土地

完成土地等(1)

期間費用

期間費用

未成土地 

 

簿価算入

期間費用

開発中土地(2)

簿価算入

簿価算入

注(1)土地造成事業に係る土地で、次に掲げるものをいう。

  イ 販売可能な状態にある土地

  ロ 当該土地に係る開発計画が次のような状態にある土地

1 開発工事の着工予定時からおおむね5年を経過しても開発用の土地等の買収が完了していない状態

2 開発用の土地等の買収が完了した後おおむね5年を経過しても開発工事に着手していない状態

3 開発工事に着手後中断しその後おおむね2年を経過している状態

注(2)土地造成事業に係る土地で完成土地等以外のものをいう。

10. キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法

キャッシュ・フロー計算書の様式は別表において直接法が明示されているが、間接法により作成してもよいか。

直接法とは、「事業活動によるキャッシュ・フロー」について主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法をいう。間接法とは、当期純利益に、非資金損益項目、事業活動に係る資産及び負債の増減並びに「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連して発生した損益項目を加減算して「事業活動によるキャッシュ・フロー」を表示する方法をいう。

直接法による表示を行うには主要な取引ごとにキャッシュ・フローの基礎データを用意する必要があり一定の事務手数を要するが、間接法の場合と異なり、損益計算書には表示されない期中における公社の活動を表示することができる。例えば、損益計算書上の収益・費用(原価)は販売が行われてはじめて表示されるが、直接法によるキャッシュ・フロー計算書には、販売以前の開発段階での公社の活動がキャッシュ・フローにより活動内容ごとに表示される。このような直接法の趣旨を生かすため、公社のキャッシュ・フロー計算書は原則として直接法によるものとする。

 

1. 適用の一般原則

公有地の拡大の推進に関する法律(昭和47年法律第66号。以下「法」という。)及び公有地の拡大の推進に関する法律施行規則(昭和47年建設省令自治省令第1号。以下「令」という。)に定めのあるもののほか、この要綱の定めるところによるものとし、この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとされるが、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とは何を意味するか。


ここでいう「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とは、企業会計に対する権威を有すると一般に認められている組織により設定された様々な会計基準を含む広い概念である。企業会計に対する権威を有すると一般に認められている組織としては、財務省企業会計審議会、日本公認会計士協会、企業会計基準委員会等がある。具体的な意見書・報告の例をあげれば、昭和24年7月9日に経済安定本部企業会計制度対策調査会が設定した「企業会計原則」のほか、昭和37年11月8日に大蔵省企業会計審議会が設定した「原価計算基準」さらに「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い」等の日本公認会計士協会会計制度委員会報告等がある。

2. 特定土地(再取得される見込みがなくなったの意味

第3条第1項第11号の特定土地の定義において、地方公共団体等により再取得される見込みがなくなったとは具体的にどのような場合をいうのか。

A 

特定土地について地方公共団体等により再取得される見込みがなくなった場合を一義的に定義付けることは困難であるが、書面上、地方公共団体等により再取得されないことが明確になった場合のみならず、客観的見地から諸般の事情を考慮した結果、実質的に再取得されない蓋然性が高いと認められる場合をも含むこととなる。

実質的に再取得されない蓋然性が高いと認められる場合の例としては、地方公共団体等が作成した中長期計画等において将来の公共事業を中止した場合や、地方公共団体等による再取得の見込みがなく公社が民間売却を実施する場合等が挙げられる。公社の保有する土地を特定土地と位置付けるか否かは、地方公共団体等と公社との十分な協議の上での対応が望まれる。また、公社においては、特定土地と位置付けることの重要性に鑑み、理事会等の意思決定機関における承認が必要と思われる。

3. 特定土地の固定資産税

第3条第1項第11号の特定土地は、地方公共団体等により再取得される見込みがないことから、本来の事業の用に供する土地では無いことになるが、固定資産税の課税は今までどおり、非課税となるのか。

特定土地は、「直接その本来の事業の用に供する固定資産」とはいえない為、非課税の対象となる土地とは言えない。

4. 完成土地等(販売可能な状態の意味)

「完成土地等」の分類において、第3条第1項第12号 イ 「販売可能な状態にある土地」の解釈として、事業計画における全ての構築物の整備等の造成工事が完了した土地とするのか。それとも、一部の構築物の整備が未完成であっても、販売可能な状況であれば「販売可能な状態にある土地」とするのか。

 A

「販売可能な状態にある土地」の判断については、個別的に判断せざるを得ないが、事業計画における売り出し計画がある場合には、この売り出し計画を基準に判断すべきである。たとえば、宅地造成事業において、部分的に区画道路が整備され、上下水道、ガス、電気等の配管配線工事が完了し、住宅の建設可能な状態になったときに売り出す計画になっている場合には、当該区画については、計画どおりの状態になったときに「販売可能な状態にある土地」と言うことができる。

5. 完成土地等の等の意味

第3条第1項第12号 ロ の状況にある土地を「完成土地等」に含めている理由は何か。

土地造成事業において、開発が長期にわたり、不動産開発計画の実現可能性が認められないと判断されるものについては、他の「開発中土地」とは区別し、開発を行わない不動産として、「完成土地等」の「等」のなかに含めて整理することとした。この判断基準は、「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い(日本公認会計士協会 監査委員会報告第69号)」の「7.不動産開発計画の実現可能性に関する判断指針」を準用したものである。

このように、不動産開発計画の実現可能性が認められないと判断されるものについては、開発利益が見込めないため、土地等の評価に用いる正味実現可能価額の算定は、原則として完成土地と同様、第25条第3項第1号によることとなる。また、第24条第3項にあるとおり、完成土地と同様、当該資産の取得又は造成に要した借入金等に対する利息を取得原価に含めないものとしている。

6. 完成土地等から開発中土地への振替え

開発用の土地等の買収が完了した後おおむね5年を経過しても開発工事に着手せず「開発中土地」から「完成土地等」に振り替え、その後開発工事に着手した場合、「完成土地等」から再び「開発中土地」に振り替える(振り戻す)ことになるのか。

 A

開発計画の見直しが行なわれ、見直された開発計画のもと開発工事に着手した場合には、「完成土地等」から再び「開発中土地」に振り替えることとなる。ただし、見直された開発計画は、その客観性、具体性及び採算性について合理的であることが必要である。また、見直された開発計画については、理事会等の意思決定機関における承認が必要と思われる。

7. 重要な会計方針を書く理由

重要な会計方針を注記しなければならない理由は何か。

 A

会計方針とは、公社が貸借対照表及び損益計算書の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。

一つの会計事実について二つ以上の会計処理の原則又は手続の選択適用が認められている場合、その選択した会計処理の原則又は手続を注記しなければ算定された利益額その他の会計数値の算出根拠を利害関係者が知ることは困難となる。このため、重要な会計方針の注記が必要となる。

8. 重要な会計方針の事例

注記しなければならない重要な会計方針として、たな卸資産、固定資産及び引当金が規定されているが、これ以外に何を注記する必要があるのか。

A 

第1条において、「この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。」旨、規定されていることから、企業会計で要求されている注記事項のうち公社に該当する項目があればそれを注記しなければならない。

一般に、各公社が注記事項として検討すべきものを例示するならば、投資有価証券、費用収益の計上基準等が考えられる。また、たな卸資産、固定資産及び引当金の重要な会計方針の記載事例としては以下のようになる。

・たな卸資産の評価基準及び評価方法

   ○○土地・・・個別法による原価法によっております。

   ××土地・・・個別法による原価法によっております。

・固定資産の減価償却の方法

   有形固定資産・・・定額法によっております。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に

                             規定する方法と同一の基準によっております。

   無形固定資産・・・定額法によっております。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に

                             規定する方法と同一の基準によっております。ただし、ソフトウェア(自社使

                             用)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によってお

                             ります。

・引当金の計上基準

・貸倒引当金

   事業未収金、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権について貸倒実績率により計上しているほ

   か、貸倒懸念債権等特定の債権については、債権の回収可能性を個別に検討して計上しております。

・賞与引当金

   職員賞与の支給に充てるため、支給見込額基準により計上しております。

・退職給付引当金

   従業員の退職による給付に備えるため、当期末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき

   計上しております。なお、数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数

  (○○年)による定額法により翌年度より費用処理しております。 

・役員退職慰労引当金

   役員の退職により支給する退職慰労金に充てるため内規に基づく期末要支給額を計上しております。


上記はあくまでも例示であり、全ての公社が上記の事例に当てはまるわけでは無い。公社ごとに十分検討し、重要な会計方針を記載することが必要である。

9. 重要な会計方針の毎年の記載

重要な会計方針の注記は毎決算期行う必要があるか、あるいは変更が生じた年度の決算のみ注記すればよいのか。

 A

当該公社に必要とされる注記事項は毎決算の財務諸表に記載しなければならない。また、当該公社が採用する会計処理の原則若しくは手続又は表示方法について変更が行われた場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容を、当該財務諸表に注記しなければならない。

10. キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法

キャッシュ・フロー計算書の様式は別表において直接法が明示されているが、間接法により作成してもよいか。

直接法とは、「事業活動によるキャッシュ・フロー」について主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法をいう。間接法とは、当期純利益に、非資金損益項目、事業活動に係る資産及び負債の増減並びに「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連して発生した損益項目を加減算して「事業活動によるキャッシュ・フロー」を表示する方法をいう。

直接法による表示を行うには主要な取引ごとにキャッシュ・フローの基礎データを用意する必要があり一定の事務手数を要するが、間接法の場合と異なり、損益計算書には表示されない期中における公社の活動を表示することができる。例えば、損益計算書上の収益・費用(原価)は販売が行われてはじめて表示されるが、直接法によるキャッシュ・フロー計算書には、販売以前の開発段階での公社の活動がキャッシュ・フローにより活動内容ごとに表示される。このような直接法の趣旨を生かすため、公社のキャッシュ・フロー計算書は原則として直接法によるものとする。

 

1. 適用の一般原則

公有地の拡大の推進に関する法律(昭和47年法律第66号。以下「法」という。)及び公有地の拡大の推進に関する法律施行規則(昭和47年建設省令自治省令第1号。以下「令」という。)に定めのあるもののほか、この要綱の定めるところによるものとし、この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとされるが、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とは何を意味するか。


ここでいう「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とは、企業会計に対する権威を有すると一般に認められている組織により設定された様々な会計基準を含む広い概念である。企業会計に対する権威を有すると一般に認められている組織としては、財務省企業会計審議会、日本公認会計士協会、企業会計基準委員会等がある。具体的な意見書・報告の例をあげれば、昭和24年7月9日に経済安定本部企業会計制度対策調査会が設定した「企業会計原則」のほか、昭和37年11月8日に大蔵省企業会計審議会が設定した「原価計算基準」さらに「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い」等の日本公認会計士協会会計制度委員会報告等がある。

2. 特定土地(再取得される見込みがなくなったの意味

第3条第1項第11号の特定土地の定義において、地方公共団体等により再取得される見込みがなくなったとは具体的にどのような場合をいうのか。

A 

特定土地について地方公共団体等により再取得される見込みがなくなった場合を一義的に定義付けることは困難であるが、書面上、地方公共団体等により再取得されないことが明確になった場合のみならず、客観的見地から諸般の事情を考慮した結果、実質的に再取得されない蓋然性が高いと認められる場合をも含むこととなる。

実質的に再取得されない蓋然性が高いと認められる場合の例としては、地方公共団体等が作成した中長期計画等において将来の公共事業を中止した場合や、地方公共団体等による再取得の見込みがなく公社が民間売却を実施する場合等が挙げられる。公社の保有する土地を特定土地と位置付けるか否かは、地方公共団体等と公社との十分な協議の上での対応が望まれる。また、公社においては、特定土地と位置付けることの重要性に鑑み、理事会等の意思決定機関における承認が必要と思われる。

3. 特定土地の固定資産税

第3条第1項第11号の特定土地は、地方公共団体等により再取得される見込みがないことから、本来の事業の用に供する土地では無いことになるが、固定資産税の課税は今までどおり、非課税となるのか。

特定土地は、「直接その本来の事業の用に供する固定資産」とはいえない為、非課税の対象となる土地とは言えない。

4. 完成土地等(販売可能な状態の意味)

「完成土地等」の分類において、第3条第1項第12号 イ 「販売可能な状態にある土地」の解釈として、事業計画における全ての構築物の整備等の造成工事が完了した土地とするのか。それとも、一部の構築物の整備が未完成であっても、販売可能な状況であれば「販売可能な状態にある土地」とするのか。

 A

「販売可能な状態にある土地」の判断については、個別的に判断せざるを得ないが、事業計画における売り出し計画がある場合には、この売り出し計画を基準に判断すべきである。たとえば、宅地造成事業において、部分的に区画道路が整備され、上下水道、ガス、電気等の配管配線工事が完了し、住宅の建設可能な状態になったときに売り出す計画になっている場合には、当該区画については、計画どおりの状態になったときに「販売可能な状態にある土地」と言うことができる。

5. 完成土地等の等の意味

第3条第1項第12号 ロ の状況にある土地を「完成土地等」に含めている理由は何か。

土地造成事業において、開発が長期にわたり、不動産開発計画の実現可能性が認められないと判断されるものについては、他の「開発中土地」とは区別し、開発を行わない不動産として、「完成土地等」の「等」のなかに含めて整理することとした。この判断基準は、「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い(日本公認会計士協会 監査委員会報告第69号)」の「7.不動産開発計画の実現可能性に関する判断指針」を準用したものである。

このように、不動産開発計画の実現可能性が認められないと判断されるものについては、開発利益が見込めないため、土地等の評価に用いる正味実現可能価額の算定は、原則として完成土地と同様、第25条第3項第1号によることとなる。また、第24条第3項にあるとおり、完成土地と同様、当該資産の取得又は造成に要した借入金等に対する利息を取得原価に含めないものとしている。

6. 完成土地等から開発中土地への振替え

開発用の土地等の買収が完了した後おおむね5年を経過しても開発工事に着手せず「開発中土地」から「完成土地等」に振り替え、その後開発工事に着手した場合、「完成土地等」から再び「開発中土地」に振り替える(振り戻す)ことになるのか。

 A

開発計画の見直しが行なわれ、見直された開発計画のもと開発工事に着手した場合には、「完成土地等」から再び「開発中土地」に振り替えることとなる。ただし、見直された開発計画は、その客観性、具体性及び採算性について合理的であることが必要である。また、見直された開発計画については、理事会等の意思決定機関における承認が必要と思われる。

7. 重要な会計方針を書く理由

重要な会計方針を注記しなければならない理由は何か。

 A

会計方針とは、公社が貸借対照表及び損益計算書の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。

一つの会計事実について二つ以上の会計処理の原則又は手続の選択適用が認められている場合、その選択した会計処理の原則又は手続を注記しなければ算定された利益額その他の会計数値の算出根拠を利害関係者が知ることは困難となる。このため、重要な会計方針の注記が必要となる。

8. 重要な会計方針の事例

注記しなければならない重要な会計方針として、たな卸資産、固定資産及び引当金が規定されているが、これ以外に何を注記する必要があるのか。

A 

第1条において、「この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。」旨、規定されていることから、企業会計で要求されている注記事項のうち公社に該当する項目があればそれを注記しなければならない。

一般に、各公社が注記事項として検討すべきものを例示するならば、投資有価証券、費用収益の計上基準等が考えられる。また、たな卸資産、固定資産及び引当金の重要な会計方針の記載事例としては以下のようになる。

・たな卸資産の評価基準及び評価方法

   ○○土地・・・個別法による原価法によっております。

   ××土地・・・個別法による原価法によっております。

・固定資産の減価償却の方法

   有形固定資産・・・定額法によっております。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に

                             規定する方法と同一の基準によっております。

   無形固定資産・・・定額法によっております。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に

                             規定する方法と同一の基準によっております。ただし、ソフトウェア(自社使

                             用)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によってお

                             ります。

・引当金の計上基準

・貸倒引当金

   事業未収金、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権について貸倒実績率により計上しているほ

   か、貸倒懸念債権等特定の債権については、債権の回収可能性を個別に検討して計上しております。

・賞与引当金

   職員賞与の支給に充てるため、支給見込額基準により計上しております。

・退職給付引当金

   従業員の退職による給付に備えるため、当期末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき

   計上しております。なお、数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数

  (○○年)による定額法により翌年度より費用処理しております。 

・役員退職慰労引当金

   役員の退職により支給する退職慰労金に充てるため内規に基づく期末要支給額を計上しております。


上記はあくまでも例示であり、全ての公社が上記の事例に当てはまるわけでは無い。公社ごとに十分検討し、重要な会計方針を記載することが必要である。

9. 重要な会計方針の毎年の記載

重要な会計方針の注記は毎決算期行う必要があるか、あるいは変更が生じた年度の決算のみ注記すればよいのか。

 A

当該公社に必要とされる注記事項は毎決算の財務諸表に記載しなければならない。また、当該公社が採用する会計処理の原則若しくは手続又は表示方法について変更が行われた場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容を、当該財務諸表に注記しなければならない。

10. キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法

キャッシュ・フロー計算書の様式は別表において直接法が明示されているが、間接法により作成してもよいか。

直接法とは、「事業活動によるキャッシュ・フロー」について主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法をいう。間接法とは、当期純利益に、非資金損益項目、事業活動に係る資産及び負債の増減並びに「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連して発生した損益項目を加減算して「事業活動によるキャッシュ・フロー」を表示する方法をいう。

直接法による表示を行うには主要な取引ごとにキャッシュ・フローの基礎データを用意する必要があり一定の事務手数を要するが、間接法の場合と異なり、損益計算書には表示されない期中における公社の活動を表示することができる。例えば、損益計算書上の収益・費用(原価)は販売が行われてはじめて表示されるが、直接法によるキャッシュ・フロー計算書には、販売以前の開発段階での公社の活動がキャッシュ・フローにより活動内容ごとに表示される。このような直接法の趣旨を生かすため、公社のキャッシュ・フロー計算書は原則として直接法によるものとする。

 

1. 適用の一般原則

公有地の拡大の推進に関する法律(昭和47年法律第66号。以下「法」という。)及び公有地の拡大の推進に関する法律施行規則(昭和47年建設省令自治省令第1号。以下「令」という。)に定めのあるもののほか、この要綱の定めるところによるものとし、この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとされるが、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とは何を意味するか。


ここでいう「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とは、企業会計に対する権威を有すると一般に認められている組織により設定された様々な会計基準を含む広い概念である。企業会計に対する権威を有すると一般に認められている組織としては、財務省企業会計審議会、日本公認会計士協会、企業会計基準委員会等がある。具体的な意見書・報告の例をあげれば、昭和24年7月9日に経済安定本部企業会計制度対策調査会が設定した「企業会計原則」のほか、昭和37年11月8日に大蔵省企業会計審議会が設定した「原価計算基準」さらに「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い」等の日本公認会計士協会会計制度委員会報告等がある。

2. 特定土地(再取得される見込みがなくなったの意味

第3条第1項第11号の特定土地の定義において、地方公共団体等により再取得される見込みがなくなったとは具体的にどのような場合をいうのか。

A 

特定土地について地方公共団体等により再取得される見込みがなくなった場合を一義的に定義付けることは困難であるが、書面上、地方公共団体等により再取得されないことが明確になった場合のみならず、客観的見地から諸般の事情を考慮した結果、実質的に再取得されない蓋然性が高いと認められる場合をも含むこととなる。

実質的に再取得されない蓋然性が高いと認められる場合の例としては、地方公共団体等が作成した中長期計画等において将来の公共事業を中止した場合や、地方公共団体等による再取得の見込みがなく公社が民間売却を実施する場合等が挙げられる。公社の保有する土地を特定土地と位置付けるか否かは、地方公共団体等と公社との十分な協議の上での対応が望まれる。また、公社においては、特定土地と位置付けることの重要性に鑑み、理事会等の意思決定機関における承認が必要と思われる。

3. 特定土地の固定資産税

第3条第1項第11号の特定土地は、地方公共団体等により再取得される見込みがないことから、本来の事業の用に供する土地では無いことになるが、固定資産税の課税は今までどおり、非課税となるのか。

特定土地は、「直接その本来の事業の用に供する固定資産」とはいえない為、非課税の対象となる土地とは言えない。

4. 完成土地等(販売可能な状態の意味)

「完成土地等」の分類において、第3条第1項第12号 イ 「販売可能な状態にある土地」の解釈として、事業計画における全ての構築物の整備等の造成工事が完了した土地とするのか。それとも、一部の構築物の整備が未完成であっても、販売可能な状況であれば「販売可能な状態にある土地」とするのか。

 A

「販売可能な状態にある土地」の判断については、個別的に判断せざるを得ないが、事業計画における売り出し計画がある場合には、この売り出し計画を基準に判断すべきである。たとえば、宅地造成事業において、部分的に区画道路が整備され、上下水道、ガス、電気等の配管配線工事が完了し、住宅の建設可能な状態になったときに売り出す計画になっている場合には、当該区画については、計画どおりの状態になったときに「販売可能な状態にある土地」と言うことができる。

5. 完成土地等の等の意味

第3条第1項第12号 ロ の状況にある土地を「完成土地等」に含めている理由は何か。

土地造成事業において、開発が長期にわたり、不動産開発計画の実現可能性が認められないと判断されるものについては、他の「開発中土地」とは区別し、開発を行わない不動産として、「完成土地等」の「等」のなかに含めて整理することとした。この判断基準は、「販売用不動産等の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱い(日本公認会計士協会 監査委員会報告第69号)」の「7.不動産開発計画の実現可能性に関する判断指針」を準用したものである。

このように、不動産開発計画の実現可能性が認められないと判断されるものについては、開発利益が見込めないため、土地等の評価に用いる正味実現可能価額の算定は、原則として完成土地と同様、第25条第3項第1号によることとなる。また、第24条第3項にあるとおり、完成土地と同様、当該資産の取得又は造成に要した借入金等に対する利息を取得原価に含めないものとしている。

6. 完成土地等から開発中土地への振替え

開発用の土地等の買収が完了した後おおむね5年を経過しても開発工事に着手せず「開発中土地」から「完成土地等」に振り替え、その後開発工事に着手した場合、「完成土地等」から再び「開発中土地」に振り替える(振り戻す)ことになるのか。

 A

開発計画の見直しが行なわれ、見直された開発計画のもと開発工事に着手した場合には、「完成土地等」から再び「開発中土地」に振り替えることとなる。ただし、見直された開発計画は、その客観性、具体性及び採算性について合理的であることが必要である。また、見直された開発計画については、理事会等の意思決定機関における承認が必要と思われる。

7. 重要な会計方針を書く理由

重要な会計方針を注記しなければならない理由は何か。

 A

会計方針とは、公社が貸借対照表及び損益計算書の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。

一つの会計事実について二つ以上の会計処理の原則又は手続の選択適用が認められている場合、その選択した会計処理の原則又は手続を注記しなければ算定された利益額その他の会計数値の算出根拠を利害関係者が知ることは困難となる。このため、重要な会計方針の注記が必要となる。

8. 重要な会計方針の事例

注記しなければならない重要な会計方針として、たな卸資産、固定資産及び引当金が規定されているが、これ以外に何を注記する必要があるのか。

A 

第1条において、「この要綱に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。」旨、規定されていることから、企業会計で要求されている注記事項のうち公社に該当する項目があればそれを注記しなければならない。

一般に、各公社が注記事項として検討すべきものを例示するならば、投資有価証券、費用収益の計上基準等が考えられる。また、たな卸資産、固定資産及び引当金の重要な会計方針の記載事例としては以下のようになる。

・たな卸資産の評価基準及び評価方法

   ○○土地・・・個別法による原価法によっております。

   ××土地・・・個別法による原価法によっております。

・固定資産の減価償却の方法

   有形固定資産・・・定額法によっております。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に

                             規定する方法と同一の基準によっております。

   無形固定資産・・・定額法によっております。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に

                             規定する方法と同一の基準によっております。ただし、ソフトウェア(自社使

                             用)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によってお

                             ります。

・引当金の計上基準

・貸倒引当金

   事業未収金、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権について貸倒実績率により計上しているほ

   か、貸倒懸念債権等特定の債権については、債権の回収可能性を個別に検討して計上しております。

・賞与引当金

   職員賞与の支給に充てるため、支給見込額基準により計上しております。

・退職給付引当金

   従業員の退職による給付に備えるため、当期末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき

   計上しております。なお、数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数

  (○○年)による定額法により翌年度より費用処理しております。 

・役員退職慰労引当金

   役員の退職により支給する退職慰労金に充てるため内規に基づく期末要支給額を計上しております。


上記はあくまでも例示であり、全ての公社が上記の事例に当てはまるわけでは無い。公社ごとに十分検討し、重要な会計方針を記載することが必要である。

9. 重要な会計方針の毎年の記載

重要な会計方針の注記は毎決算期行う必要があるか、あるいは変更が生じた年度の決算のみ注記すればよいのか。

 A

当該公社に必要とされる注記事項は毎決算の財務諸表に記載しなければならない。また、当該公社が採用する会計処理の原則若しくは手続又は表示方法について変更が行われた場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容を、当該財務諸表に注記しなければならない。

10. キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法

キャッシュ・フロー計算書の様式は別表において直接法が明示されているが、間接法により作成してもよいか。

直接法とは、「事業活動によるキャッシュ・フロー」について主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法をいう。間接法とは、当期純利益に、非資金損益項目、事業活動に係る資産及び負債の増減並びに「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連して発生した損益項目を加減算して「事業活動によるキャッシュ・フロー」を表示する方法をいう。

直接法による表示を行うには主要な取引ごとにキャッシュ・フローの基礎データを用意する必要があり一定の事務手数を要するが、間接法の場合と異なり、損益計算書には表示されない期中における公社の活動を表示することができる。例えば、損益計算書上の収益・費用(原価)は販売が行われてはじめて表示されるが、直接法によるキャッシュ・フロー計算書には、販売以前の開発段階での公社の活動がキャッシュ・フローにより活動内容ごとに表示される。このような直接法の趣旨を生かすため、公社のキャッシュ・フロー計算書は原則として直接法によるものとする。